ボ・ガンボスが92年に行ったライブイベント、HOTHOT GUMBO'92の映像がVHSでしか持っておらず、しかも貸してしまって見当たらないのでDVDで購入した。


HOT HOT GUMBO ’92/HOT HOT GUMBO ’93 [DVD]

HOT HOT GUMBOは、毎年夏にボ・ガンボスが行っていたフリーライブ。

このライブは'92年に京都大学西部講堂前で行われたもの。
その頃リアルタイムで京都で学生生活を送っており、うっすらと告知等をやっていたのを覚えている気がする。

自分の学生時代が重なっている為か、個人的にこのライブ映像は相当印象深い。
しかしボガンボスファンの間でも、もっとも評価が高いライブイベントのひとつに上げられているので、単に感傷だけで印象に残っている訳でもなさそうだ。
後のインタビューで、どんと自身もベストライブと語っていたらしい。

実際、このライブは日本の音楽史に残すべきものだと思ってる。
また'92年は、彼らがデビュー三年目の時で、もっとも勢いがある頃じゃないだろうか。



ビデオはドキュメンタリータッチで進行する。
ライブは四条川原町から西部講堂までをトラックの上で移動しながら演奏するところから始まる。
四条河原町から三条まで上がり、三条大橋を渡る。

 

周りには沢山の観客がついて歩いており、大混雑している。
今なら当局の規制によって絶対に出来ないだろうなぁと思う。
観客の髪型や服装が時代を感じる。



どんと、キョン両氏にとって、母校でもある京都大学の西部講堂にトラックのまま入り、そのまま演奏を続ける。

ゆる〜いどんとのトークと、音楽がとても心地よい。
ボガンボスのトークは基本的に演奏しながらなのであるが、うまい事音に乗せて、関西弁で饒舌に話す。

メインステージに移る。
特設の大きな風車がとても美しい。
このライブは全てにおいて、とても映像が綺麗なのである。



決して広くは無い会場だけど、一体化した観客がとても楽しそうなのが印象的。
今の日本の様に、右肩下がりの頃でなく、まだまだ元気だった頃で、良い時代である。

ベース・ボーカルのトシ氏


キーボード・ギターのキョン氏


ドラムの岡地氏


そしてボーカル・ギターのどんと氏


ライブも後半になる頃、徐々に日が落ちて行き、美しいグラデーションが描かれて行く。
日の長い８月なのに、日が暮れる。どの位やっていたのだろう。

この舞台センス、どんとのセンスなのかも知れないけど、本当に完璧である。 
音楽は好き嫌いがあるかも知れないけど、この外し方、ゆるさ、色使い、そして京都という土地の雰囲気を受けて完璧なのである。


 
観客も演奏者も、終始にわたり非常に楽しそうである。

最後に京都時代の思い出としてキョン氏とどんと氏の馴れ初め等を演奏に乗せながら紹介し、メインステージは終了する。
ラストはまたもやトラックに乗り込み、退場していく。


 
観客、スタッフ、演奏者、全てが心からこのライブを楽しんでいるのが本当に伝わってくる。

果たしてHD画質版が今後でるだろうか。たぶん出ないだろう。
だけど、何時までも誰かが持っていて欲しいし、再販しないのであれば、ネットでストリーミング販売して欲しい気もする。

好き嫌いはあるだろうけど、日本にもこれだけの完成度を持つライブイベントがあったという事を、出来るだけ多くの人に知って欲しいなと思う。


どんと こと 久富隆司さん、この時29歳、享年37年と半年（1962年8月5日‐2000年1月28日）
最後まで精力的にライブをこなしつつ、若くしてお亡くなりになられました。
彼が残した物は大きかったと思います。 

残った三人はたま〜に「ボガンボスリー」として演奏しているそうです。