ピックアップをフォトカプラPC817Bで受けることを考えてみました。
なんでPC817Bなのかってのは、秋月で沢山売ってるからが理由。
データシートはこの辺

ちなみに自分はコードは仕事で書いてましたがアナログは素人です。
素人が足掻く姿をお届けします。はい。

いろいろな自作CDIを見てて、真面目に定格調査している文献が無かったので、少しやってみた。
この辺はルネサスやら東芝のアプリケーションノートを参考。
ルネサスのドキュメントはこちら
東芝のドキュメントはこちら
こういうドキュメントが簡単に読める時、あぁ日本はやはり電子立国なんだと思ったり。

まずおおもと入力のピックアップ電圧は以前にペンタさんが調べていて、1,000rpm-15,000rpmのとき
マイナス波 2V-28V
プラス波 1.5V-16V

まずこれをPC817Bで受けることを前提とする。

PC817Bの内部損失定格は、75℃で動作させたとして、75mA。
配置やらなんやらで50℃を守れたとして150mA。
消費電力


75mWのとき、フォトカプラ側に流れる電流は60mA。
VfIf

ちなみに入力側はパルス信号であり、連続で流す訳では無いので、流せる電流はもう少し高い。
PIC817Bの定格は50mAだけど100usのパルスを100Hz(6000回転)なら400mAはいけるとなっている。
ノイズの様なものなら瞬間1Aも可能、やけどまぁ長い間使ってると壊れるやろね。
VfIf-hz


ところが1A流せたとしてもフォトカプラは壊れないかも知れないけど、出力側に電流を流すことができなくなる。
CTR(Current Transfer Ratio)を見ると、100%の伝達を維持できるのは2mA〜50mAまで。
つまりこれがPC817Bの設計意図範囲とも言える。
CTR vs. Forward Current のグラフを見ると、1Aなんて流してもおそらくCTRは凄く低くなる事が想定できる。
ctr

次に温度とCTRの関係。75℃だと約80%程度になる。
CRTtemp


またフォトカプラは経年劣化があり、定格付近で動かすとCTRが直ぐに80%程度に落ちるそうだ。
以上を勘案すると入力側は上限30mA、下限5mAで、定常的に15mA流すCTRは80%程度を維持しつつ定格を守れる感じ。
まぁ実際そんなに熱くなるかというと、そんなんでもないだろうが、75℃を超えてくると失火とかしてしまいそう。
サイリスタは駆動に15mAという比較的大きな電流が必要なので、必要十分な利得を得るように後段回路で検討しないといけない。

都合により、出力側は3.3Vと5Vで駆動する両面を考える。
If=30mAの場合、3.3VでIc=30mAはギリギリ可能。5Vなら定格外。
If=5mAの場合、3.3V、5V、両方でIc=5mAてなところ。
IcVce

さて、ピックアップコイルからの電圧(1,000rpm〜15,000rpm)を再掲。
マイナス波 2V-28V
プラス波 1.5V-16V
実際は15,000rpmを常用する事は無いので、定格としてはこれで十分。

フォトカプラの発光素子は順電圧降下があり、電圧を食います。
PC817Bの順電圧は20mA時にVf=1.2Vですから、一応プラス波の1.5Vはクリアします。
ただし整流用のダイオード入れるとピンチ。EK14あたりのショットキバリアダイオードが必要になるかな。
ちなみにEK14は秋月/千石には無くって、50m程西にある鈴商で売ってます。
データシートはこちら

また、気温0℃は結構厳しい状況になります。
VfIf0
そんな寒い日乗るなつー話もありますけど、秋口に北海道ツーリングなんて行った日にゃ日常茶飯事でして、0度でエンジン掛からないってのも寂しい話です。

Forward Current vs. Forward Voltageグラフから、1.3V程度は確保したい所です。
EK14の順電圧Vf値は、最大5.5Vとありますけど数mA〜数十mAを流す分にはほぼ誤差レベルのものですから考えなくてもよいです。
 
<書き掛け>