ネットをウロウロしていると面白いページがありました。
2XTのTZRを改造して、TZ250レベルにしたいと思ったおっちゃんが、DT200のシリンダーを使って400にしてしまうって話。
http://tzrchronicles.blogspot.jp/

たった3回の投稿しかないブログなのですが、大変興味深いです。
ここではZeeltronicというスロベニアの会社が作っているCDIとPV Controlerを使ってます。
PVってのはヤマハで言えばYPVSの事ね。
この付近の人たちって結構がんばるよね。
このHPでは色々なユーザのバイクが掲載されてるけど、たとえばこのRZの美しさよ。
421ccやるなぁ。
この手のチューニングパーツやらチューニング屋さんは、欧州は結構活発ですね。
たとえばBDK race Engineeringさん。
この辺でCDIやらPVのチューニングパーツを紹介しています。

話を戻しますが、TZRクロニクルの人はなんと恵まれているのか、CDIの点火時期を細かく変えて、ガンガンとシャシ台に乗せて実験してます。
PVコントロールも色々試してます。

このブログは、今現在の自分が感じている結果を数値で表してくれてます。

まぁつまり、点火時期なんて多少変えたところで出力に影響なんて出ません
以前作っていたダイヤルで±4度、あわせて8度変更可能なCDIを使って遊んでました。
ちょっと分かり辛い動画ですが、ダイヤルグリグリやって点火時期が変わっている風景です。
 

ギリギリ体感できるかなーというレベルでしか違いはありません。
SDRの場合、ギリギリ分かるレベルってのは、良くて0.5馬力、大体0.3馬力程度かなと。
気温が5℃変わったら無くなるレベルですね。
(実測の結果はこちら)

丁度このブログで書いてあるのが、70馬力のTZRで進角をプラマイ4度変えて、わずか1馬力程度の上下しかないんですよね。
30馬力程度のSDRでそれがどれだけ体感できるかちゅーね。
結局2ストロークで点火時期を調整しても4ストローク程馬力には影響を与えないんだと思います。
もちろん、ヤマハのアナログ点火の進角7度は論外で実用域でパワー出ませんけど、、、。

時々ブログで点火時期の調整を、螺子穴広げてピックアップの位置を修正して対応しているのを見かけますが、自分的にはさほど(いや殆ど)効果は得られないと思っています。あんだけガンガン前後させてもさほど変わりませんでしたし。


むしろYPVSコントローラの方が弄った時の変化は大きいですね〜。
これもこのブログの実証結果と一致してます。 
ヤマハのYPVSコントロールはなにか「欲」を感じていて、若干無駄がある風に感じます。
KIPSの様なオンオフまでは行かなくても、もう少しガッツンと切り替えてあげても良いような気がしてます。
これについては別途書きたいと思います。

自作のCDIは、んじゃぁ存在意義はなんなのよ、という話になりますが、そこは色々とあると思っています。
例えば、ノーマルだとエキサイタコイルの電力を半波整流して捨てていますが、倍電圧回路や全波整流によって全部使うことが出来ます。
2ストローク車は毎回爆発出来ていないって事をヤマハの開発者の方も語ってましたが、これによってかなり改善されると思っています。
実際、きちんと動作するCDIでの乗り味は、ばらついた感触では無く、振動もドコドコと気持ちの良いものに変わります。
5000rpmパーシャル付近のエンジンのグズりは、吸気脈動によるもので、YEISで抑えているんだそうですが(開発物語この辺参照)、点火を強化する事によって強制的に点火して少しは改善するって事も出来るかなと。
それ以外でも2ストロークは失火が大変多いのですが、これら全般に改善可能かと思います。

また、ヤマハの場合、DC-CDI化されるまではアナログ進角だったようで、フラットな点火時期になっています。これは最良の点火時期でない事は数多くのデータが証明しており、自作CDIなら改善可能です。
つまり純正CDIよりはナンボかマシなものが、マイコン技術の進化により素人でも手に入る様にはなっています。(過去の技術者は当時の技術で最高のものを作っているって点は重要です)

高回転化もそうですね。純正は9000回転以降で一気に点火時期を遅角してしまいます。
設計意図なのかも知れませんが、これは邪魔なときがあります。
とにかく焼き付かない様に徹底したマージンをとっているのも事実でしょうから、その辺は自己責任で削っていく事は可能かと思います。
点火だけで見れば、2ストロークの10,000rpmは4ストロークの20,000rpm相当ですから、昔の1Mhz程度のマイコンでは制御は厳しかったのではないかと思います。
ちなみに8Mhz程度でも結構厳しくて、PIC12Fの8ビットマイコンだと8Mhzだと12,000rpm程度が実用限界です。
4ストロークだと24,000rpm付近ですね〜。
盗難防止装置CDIでは12,000rpmを超えると機械によるアナログ点火に切り替わります。

話が逸れますが、この点火が倍必要って部分は、「多気筒だとCDI方式よりはTDC方式の方が部品代含めて実用的なのかも知れないけど、小気筒で高回転まで回すならCDIの方がええのとちゃうかな」と思う理由でもあります。

ま、つまりですね。
点火時期の調整はそこそこ焼き付かない風に進角調整しておけばええのかなっていう、そんな感じです。


余談
改めて開発物語を読み返して、リードバルブの厚さを上下で変更するのがスズキの特許で出来なかったとか、ほんま色々と勉強になります。