とあるSRX乗りのお方に、最近流行のイグニッション16V化について相談されたのですが、自分ならNJM2360を使うかなぁとお答えしておきました。
NJM2360とは新日本無線の電源用ICです。
MC34063とコンプリなんですが、アプリケーションノートが親切で日本製という事もあって、かなりメジャーなICです。



NGK

SRXは1〜3型まではCDI点火、4型はTCI点火方式となっています。
16V化はこのTCI点火方式のSRXにまつわるお話です。

T.C.I.点火方式(トランジスタ点火方式)とは、イグニッションコイルの1次側に電流を流し、その電流を急激に遮断する事によって2次側にプラグがスパークする程の高電圧を発生させる点火方式です。

16V化とは通常12Vでイグニッションコイルに電圧をかけるところを、16Vに昇圧してより多くの電流を流すことによって点火能力を向上させる改造のことです。


この改造はしかし必ずしも万能という訳でもありません。
例えば自分の油冷カタナですと、油冷エンジンのノーマルのレギュレータが15V以上という結構な高血圧状態なので、この16V化はメリットがありません。
今回お話のあったSRXについても、走行中は14.5V前後ありますので、実態としては12V→16Vってことにはなりません。
14,5Vから16Vですからその差1.5V、10%の電圧を上げるために、 ある程度の費用とある程度の空間を消費する事になりますが、そのかわりに得られる効果は、恐らくブラインドテストしたら分からない程度の差でしょう。


そんな事はさておいておいて。

バイク用の16V化については専用の高価なパーツが発売されていたりしますが、面白い事に恐らく最もメジャーなのはオーディオQ(創造科学有限会社)のAQV-1216AというDC昇圧パーツです。
 audio-q_muxt89k3p0
こちら、もともとはその名の通りオーディオ系の部品などをメインに取り扱っているようですが、カタナ400のサイトで詳しく紹介され、一気に認知度が上がった様に思います。

製作者ブログなどを読むと、レーシングチームに100台納入した等、結構な売り上げがあるようです。


SRXのイグニッションコイルは一次側3.4〜4.6Ωの抵抗となっているそうですので、16Vを3.5Ω程度のコイルにかけ、定常状態になった際に流れる電流は4.5 A程度。
16V * 4.5A = 73Wが断続的に消費される様ですから、間欠状態の定格80WのAQVにぴったり。
たまたまなのでしょうけど、バイク用として使われるに足る性能を持っています。
 

その後AQV-060Aという小型の半製品が販売されて、
AQV-060-4
競技用パーツとして
販売されています。

写真だけで判断すると、小型化、薄型化する為にさまざまな工夫がなされているようで、完成度は高い様に見えます。

昇圧チョッパ回路によって最大22Vまで昇圧できるようですので、16Vとかケチ臭い事言わずに18V位いったれや、いや20Vや!という漢気のある方にはオススメかも知れません。

最初の話に戻りますが、NJM2360を使って同等の回路は構成できるのですが、大電力が必要なので色々と周辺回路での工夫は必要です。 
上記基板を購入するってのもまたひとつの解なんではないかと思います。

基板見ている限り、このパーツは買うだけの価値はあるんじゃないかと思っています。
まぁ価値観は人それぞれですが。

まぁただ、16V化によって点火時期も微妙にずれるでしょうし、スイッチング能力がなまる事による1次電圧の低下もありうります。
逆に上手くいってもどこかしこと負担をかけるのは仕方の無い事でしょう。
取り付けて色々と計測してみたい気持ちになります。

きっちり整備された車体でなければ、体感できる効果も恐らく然程でも無いと思いますので、最後の最後でおやりになるのが良いかな、、、と個人的には思います。
(前述のSRX乗りの方はキッチリ整備されているので、体感できるレベルの差は生まれるんじゃないかと思っています)

自分がSRXをまだ持っていたら、、、楽しそうなのでNJM2360とパワーインダクタ(上記AVQも使ってるやつですね)を使って自作にチャレンジすると思います。