クイックシフターで数度試乗し、イデさんと色々と意見交換。
 
最近ではクイックシフターも純正採用されてたりするので、そんなに大きな問題にはならないと思うけど、やっぱりちょっとミッションが心配だな〜って話。

なんとなく心配ってところをもう少し整理してみます。

まず、バイクのミッションを理解する為の神動画をば再視聴。


後は、もう店を畳んじゃった小川メンテナンスのHPでSDRのギアを見てみる。
(ちょいと画像を拝借いたします)

昨今のmotoGPのミッションがどんくらいスンゴイのかを再度確認しますが、ホンダ車はだいたい10msec以内でシフトアップが終わるそうです。
ちなみにヤマハ車は30msec以内、ドカは60msec以内位だそうで。
おい、おい、、、どんだけだよホンダ。
ここまで来ると、CDIの点火カットとかそういったレベルでは無く、効果的に回転数を落とす技術やらフォワードトルクを打ち消す機械が入っていると思います。
だって、10msec未満って点火1〜2回分だけですよ。
すげぇこってす。

勉強がすんだら心配事に集中。

心配事とは。
全開にしている最中に点火を切ってシフトを入れるからドグ歯が痛まないかな〜ってところ。

シフト時に空転しているギアにドグ歯を差し込んでシフトチェンジします。
ドグ歯は滑り込むような感じで入っていくのですが、そもそもここはアクセルオンオフレベルで常にガッツンガッツンと前後している部分ですから、ほどほどに耐久性は高いといえる部分かなと。
あんまり壊れたって聞かないし。
img_6

このはめ合い部分にトルクが掛かっているとシフトは「抜けない」と想像。
恐らく「入らない」じゃ無くて抜けない。
いや知らんけど多分そう。間違ってたら指摘ください。

ちょっと余談。
よく、「回転数が合えばクラッチ無しでもシフトチェンジは可能」とかいう話を聞くけど、クラッチを切らずに回転数を合わせるって出来なくないですかね?



閑話休題。


【通常の変速操作】
アクセルオフ
ほぼ同時にクラッチを切る 
シフトを入れる
クラッチを入れる
ほぼ同時にアクセルオン

【クイックシフターの場合】
点火オフ
ほぼ同時にシフトを入れる
すぐさま点火再開

もうちょっと正確に言えば、シフトを入れる、、、がトルクが掛かっているので入らない。
点火を切ると、ドグ歯が抜けて次のギアにドグが入っていく。


この二つの動作の違いだけど、ポイント別に見てみると、
(1)ドグ歯が抜ける
(2)ドグ歯が入る
(3)トルクが掛かる
の三点。

(1)
歯が抜ける部分は、通常もクイックシフターも一緒。
クラッチを切る、アクセルを戻す、点火を切る。
どれでも狙いは一緒でトルクを抜いて歯が抜けるところをサポートする。

(2)
歯が入るところはちょいと違う。
クラッチを切ってアクセルを戻すと、実際のドライブシャフトとエンジン回転数に違いが出る。
ドライブシャフト側(エンジン側)はどんどんと回転数が落ちていって、ドリブンシャフト側(タイヤ側)の回転数と乖離がでる。
そして次のギアに近い回転数でドグが入る形。 
クイックシフターは点火を切るけどクラッチは切らないので回転数は合わない。
だけどそのまま滑り込む様にドグが入り、点火を再開する。
ドグが入る時には、ドライブシャフト側がドリブン側よりも速く回っているので、駆動方向に衝撃が入る。
バックトルクならぬフォワードトルクですな。

衝撃が入るっても、キッチリエンジン回転数が落ちてくるまでまってからシフトを入れる人はあんまりおらんので、結果としては大差はないかと。

ちょいと余談
全く同じ回転数に合わせてしまうと、逆にドグ歯が入らないので多少の回転数の違いは必要ですよね。
停車時にギアが入らないのは当たり前なんかも知れません。
半クラ当てると入るのは、ドライブシャフトが回転をはじめ、ドグ歯がドリブン側に入っていくから。



閑話休題

つまりドグ歯の入りと出の部分は、実はクイックシフターだからといって大きな差がある訳じゃぁ無いのかなと思います。

(3) 
通常はクラッチを徐々に繋いでいって、トルクを滑らかに掛けていく事によって衝撃を緩和。
クイックシフターは点火を再開するのでトルクが一気に掛かる。
で結局大きな違いは3番のクラッチを当てていく事による衝撃緩和作用かと。

さて、この(3)についてもう少し。

ドライブ側とドリブン側をクラッチを切った状態で繋ぐ。
同じくクラッチを切らない状態で繋ぐ。
両者の違いは、ドグ歯が入った際の衝撃が当然ながらクラッチを切った状態の方が少ない。
負荷が掛かるのはクランクと「既に噛み合った」ドグ歯になりますかね。

ではどの程度の負荷が掛かるのかって言えば、実はこれ大したこと無いんじゃないかと想像します。

歯が噛み合う時点では、ドライブ側の方が回転数が高く、車体は前進方向に力が掛かります。
エンジンの回転数は車速に併せるように落ちて行きます。
エンジンへの負荷は、クラッチを掛けたまま急制動を掛けるよりは随分マシです。
ドグ歯はドライブシャフトの方が回転が速い状態で噛み合っています。

この後点火を再開しても、ドグ歯は噛み合ったまま前進方向に力が掛かります。
前方向へのトルクが掛かるのは、もっと過酷な状態で掛かることがありますし、噛み合った状態でトルクが掛かる限り、ドグ歯へのダメージは通常の走行状態と然程変わらないのかなと思います。

真面目に衝撃を少なくしたいのであれば、クイックシフターのセンサーを早めに入れて回転数をなるべく落とす時間を稼ぐ方法があるかと思いますが、レーサーとしては不本意でしょう。

qs1

この絵の黒い部分が、青い空間の中でガッツンガッツン言うのは良くなさそうですが、クイックシフターの動作としてはここはガッツンガッツン言わないことになります。

シフトの際のクラッチの有り無しで変わるのは、ドライブシャフト側とドリブンシャフト側の回転数あわせを車体全体で受けるかどうかですが、実体験としてこの程度の衝撃は普通に走っている間に十分ありうるものですし、何かギアが噛み合ってない状態でトルクが掛かる訳ではありません。
何かが破損するリスクは然程高くないと思います。

設計想定外の衝撃が掛かる事は無いとは言うものの、比較的当りが強くなる事には違いが無いので、クラッチの寿命を延ばす代わりに、チェーンやホイール内のダンパー等その他の部分の寿命が短くなるのは間違いないでしょう。ただ、ギア側ではないかと思います。



この辺でソフトウェアで何か出来ることは無いのか考えて見ます。

今の時点で利楽猿製クイックシフターのステートマシンは以下の通りです。
statemachine
 
4番のOFF_WAITステートが入っているあたり、俺偉いなぁ・・・と自画自賛。
はい、私何も信用してませんので、センサーが故障する位の保険は入れてます。

2番のON_TIMEが点火カット中、3番のDISABLEは点火再開です。
この間に、、、半クラッチ的な物をいれたらどうでしょうか。

これが新しいステートマシンです。
 state2

このON_BUFFERというステートでは、点火を開始します。
点火を開始しますが、ギリギリまで遅角させて軽くトルクを与えるとか。
多分これで衝撃が緩和する・・・かも知れません。 

ドグ歯が入った時の衝撃は緩和出来ませんが、噛み合った後のトルクを掛け始めには多少有効かも知れません。
レーサーには不要かも知れませんが、点火カットの最後に一発位は入れても良いかも知れませんね。


さて、じゃぁやってみるか・・・と思ったら、PicKit3やハンダコテなどをアルモクさんとこに忘れたので何にもデキマヘンでした。
またの機会に試してみます。