冬休み初日。
しかし寒い。

そんな寒い日はコタツでぬくぬくとインターネッツが一番。
CDI制御プログラムの構想を練りつつ・・・

しかし、朝も早くから
「さるさん、ランツァエンジンに火入れしたいけど」 
と鬼畜アルモク氏からLINEでメッセージが。

ま、つまり来いという事ですな。

サービスマニュアルがないとなぁ〜
「あるよ」

チャンバーは、
「あるよ」

年末なのに鬼ですな。どうしても動かしたいんだろう。
つか動かないかもしれないエンジンに制作モチベーションも沸かないだろうからしょうがないね。

CDI/YPVS-C V2.2基板を和歌山に送る前に試走距離を伸ばしたかったのでまぁいいか。
出かける前にちょいと中華タブレットで設定変更してみる。
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出来ないことはないけど使いにくい・・・
これは本格的になんとかせなあきませんな。
C#+UWP構成でいこかな〜と欲を出してはまっているところなんですが。

セルフのガススタでガソリン入れようとしたら、タンクの塗装が取れた(´;ω;`) 

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うーん、まぁしょうがない。道具は使ってりゃそうなる。

んでまた来てしまったアルモク亭。
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既にチャンバーは装着済み。
SDRのノーマルをぶった切って溶接してつけてありました。
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早速DT230のサービスマニュアルを読んでみる。
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DTはカラーの配線図がついているのね。

なるほどなるほど。
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コンデンサーのチャージはジェネレータから出ている3線で行われている。
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DT230はAC-CDIに戻っているんですけれども、点火系はRZに類似したもの。
つくづくSDRは変な実装だなと。
SDRのコイルは良いところもあって、高回転でも充電電圧が下がらないメリットがあるんだけど、たぶんコストダウンの為にDT230のチャージコイルはRZと同じ方式になったんだろうなぁ・・・真相はわかりませんけれども。


なんとなくわかったところで、躊躇なく配線切った貼ったを始めます。
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それにしてもジェネレータから出てきているコードはどれもこれも被覆がパリパリで、ところどころ銅線がむき出しになっている。
シリンダーは綺麗だったって事なので、割と走らずに放置されていた車両なのか、北の大地の車体なのでコード凍ってたのかも知れないです。

CDI/YPVS-CはV2.1のものを利用。
iPhone 015

クイックシフター試験用だった奴。

まぁこんなん作ったりなんだりとヤマハ2スト伝統の配線に合わせていきます。
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その間アルモクさんはいろいろ作り込んでましたが、正直あんまり見てませんでした。

配線ができたところでラーメンを食いに行く。
「エンジンかかると思う?」
え〜7:3かなぁ
「7はどっちよ」
かからん方。ついこの間来たばっかりの怪しいエンジンが一発目でかかるかいな。

んで、想定外に軽くかかってしまった。

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キャブもそこらへんにあったものを適当に付けただけなのに、なんだかすんごく良さそげな感じですよ。
アクセルに対するツキというか、すんごいトルク感。
流石90年代のヤマハの2ストロークエンジンですわ。



しかし、、、あれ?おかしい。こんなにすぐ終わるとは。

これは明るいうちに帰れてしまう。
最近地元のCRガロが20回/1K円なので、はよう帰って打ちに行かなければ。

しかしあんまりにも早く終わりすぎてしまい、しかもエンジンがエエ感じなので、勢い余って、、、
アルモクのフルメタルSDR号に移植開始してしまいました。
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エンジン降ろしたり載せたりなんだり、アレやコレやしたりして、、、

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ちなみにエンジンの重さは7kg差。ちっと重くないかな、ランツァ。
まぁ適当に測っただけやけど。

さて。
配線終わってから、キーオン。

ポスッ

あ〜なんか嫌な音がしましたよ〜。
電装系で一番アカン音ですわ。
脳内で小さいキノコ雲が見えました。
箱の中なんでわかりませんけど。

「煙でてるよ〜わははは!」
とアルモクさんがなんだか嬉しそう。

あ〜あ。
ケース焦げてるがな。
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死亡したのは、えーと目視でわかるのはモータードライバ。
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 あとは5Vレギュレータか。

原因は、
「ヤマハのうんこたれがカプラに入れるプラスマイナスのセオリーを曲げてDT200WRの配線を逆に接続してやがる」
事だった。

ここ、なんで逆にしたよ、ヤマハ。その他の車種は全部ちゃんとプラマイがセオリー通りなのに。

そして、こんな逆配線カプラを作って
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とりあえずRilassaru号からCDI/YPVS-CのVer2.2を拝借。

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これ燃えたら俺、電車帰宅やがな。

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でやってみたらアッサリとエンジンかかりましたとさ。

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本日2台目完了。
やれやれ。

この逆刺しによるCDI炎上は、2015SUGO出走前にボウズさんが実際にやってしまったという事で、Takeyanさんが夜鍋して泣く泣く修理したという話を聞いていたので、V2.2の基板では対策してます。

bozu

この赤枠内のダイオードが、いわゆる「ボウズダイオード」と呼ばれるもので、電源逆刺しにしちゃうオッチョコチョイさん向けの対策なのです。

そしたら俺もオッチョコチョイだったというね(´・ω・`)

アルモクさん、こちらを見ながら
「俺を疑ってたやろう?」
当たり前やがな。
ヤマハのアホウが機種毎に配線逆にするという陰謀を巡らせているとは思いませんし。



DT230のサービスマニュアルにはトラクションコントロールの詳細が載ってました。

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加速度によって点火時期を変えて、タイヤが空転していると判断したら点火時期を遅くしてパワーを抑えるって仕組み。
同じ時期のTZRはスロポジを導入しているけれども、スロポジ捨ててまで(なんちゃって)加速度センサーにトライしているあたりは先鋭的ではある。
現代ではセンサーだらけの車体でギアとか車速とかでタイヤの空転を割り出しているけれども、オフ車ならではの面白い仕組みだと思う。

加速度を見るって言っても加速度センサーが入っている訳でもなく、ソフトウェアだけで実現してる。
仕組みはとても簡単で前回と今回の回転数の差を見ているだけなんですけどね。
初期の自作CDIでは、この加速を計算する仕組みは「ギア抜けオーバーレブ対策」として考えていたんですが、実際のユースケースを考えるといらんかったので入れてません。
まぁ当時もう少しちゃんと考えていたら、2014年のSUGOでのベーヤタ号の焼き付きはなかったかもしれません。


最後に波形をとってみた。

まずはアイドリング付近。
黄色がコンデンサ充電電圧。
青がピックアップパルスのプラス側。
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アカンやん。
まず位相があってない気がするのと、ノイズでマイナスパルスが来てるのか、サイリスタがあらぬタイミングでゲートを開いてコンデンサーの放電をしてる。
hakei


ちょいと回すと綺麗な波形になる。間隔18.5msなので3200rpm付近かな。
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もう一回位見ないとアカンね。
今度はじっくりと。