2017年01月15日 SDR:クラッチ2回目〜スプリングはやっぱり必要な理由
 
今、たぶん自分のSDRに入っているクラッチの中のスプリングは死んでいると思う。
これでええのかな?

結論

スプリング付フリクションプレートはやっぱり入れよう。
多分削れて意味をなくしてしまったスプリングは、面倒だけどもう一回開けて新品入れよう。

なぜ?

サービスマニュアルがなんで場所指定してスプリングを入れさせているのか。
風呂入りながら色々と考えた。

そもそもなんでスプリングが入っているのか。
ネットで色々と調べてみても
・ニュートラルに入りやすくする為
・クラッチの切れを良くする為
とかあるんだけど、自分がSDRでクラッチをニギニギしてみたところ、一番最外のフリクションプレートが綺麗に剥がれていた。
この状況は上記2点とも関連性が思いつかない。
ニュートラルに入りやすいというのは、
(1)1速、2速に入りづらい、(2)1速、2速から抜けやすい
の2点を満たせていれば良い様に思う。
詳細は省くけど、自分のSDRはクラッチが完全に切れているので問題無いし、ニュートラルだって別段入れるのに困った事はない。
クラッチの切れを良くするのも同じで、今の現状で全く大丈夫。

この様な状況なのでスプリングなんてなくてもエエやん、というのが昨日パチンコ打ちながら出した結論。

だけどこんな意味の無いものをなぜ入れるのか。
少し簡易版のクラッチの仕組み。
c1

これが、うちのSDRだと一番外側、つまりプレッシャープレート側がパカっと剥がれていた。
もしスプリングが入っていると、そこもパカっと剥がれるはず。
c2
でもそんな様子はなかった。
オイルで張り付いている。

機能としては問題ない。
クラッチディスクにかかる圧力は抜けて、クラッチはきれいに滑り始める。

しかし車体を動かす、動力を抜くという短期的な課題に対しては満足していても、本来動くはずのところが動いていないのは何らかの問題を抱えていて、長期的な視点では駄目なのかもしれない。
もしかして、このディスクが「根元から動く」ってのが大事なのかもしれない。

根元側があんまり動かないと、大事な大事なクラッチボス(廃番)、プライマリドリブンギア(廃番)の痛みが早くならないかな。
常におんなじところに当たっているのと、多少なりとも動くのでは違うよね。
シフトチェンジする際に全体が滑らかに動いていくのが理想であることに間違いは無い訳だし。

検証

再度クラッチの写真。
これはもともとついていたクラッチ。
IMG_3473
 
 段付きの様子
IMG_3477
 
IMG_3478
 
IMG_3479
 

拡大。
c3

c4

必ずそうとも言い切れないけど、奥側の方が段付きの幅が狭くて深い。
外側は段付きが浅く広い。
多板式(湿式)クラッチ、仕組みから外側の方が移動量が多いのは理屈。

やっぱりなるべくクラッチ板全体を移動させてこの段付き具合を低減させよう、という意図なんじゃないかな。
段が深くなってくるとクラッチ板が動かなくなって、徐々にクラッチの切れが悪くなり、最後は張り付く様になるんだと思う。


という事で仮説としては一旦正しいとする。
勿論複数の意味があって、そのうちの一つなのかもしれないけれど。

【追記】
Takeyanさんのコメント、長かったので本文でご紹介。
 開放状態の湿式多板クラッチがレバーリリースによって摩擦による動力を伝達し始める部位は、過渡特性としては可動側であるプレッシャープレート側から多く分配され始めると考えても良いかと思います。 
でも、レバー操作で動力を切る!或いは伝達動力を制限する行為の場合の部位は不定になりますです。 
実際には鎖理論の様に、その時の一番摩擦力が弱くなった部位を起点にトルクの減少が起き、スプラインのガタ分を超えた時に全体がスリップし、半クラッチ状態を経由して動力切断に至るものかと… 

一方、多板クラッチは、その枚数により伝達トルクを加減出来るメリットがあります。 
一か所にウェーブワッシャの一種であるスプリングを入れてあげると、クラッチを切った時に必ず同じ個所から切れ始めるようにコントロールできます。 
これにより半クラッチから全動力を伝達するまでは、稼働する実際のクラッチプレート枚数が少ない事になる為、半クラッチの動力伝達範囲をコントロールしやすくなります。 
また、湿式多板クラッチは摩擦接合ですからクラッチを切っていても少しは摩擦接触していますので、僅かながらもドリブン側にトルク伝達してしまいます。 
(ニュートラルから1速へ入れる際に、ガツンと衝撃が来るのは、このためです) 
スプリングを入れる事で、クラッチ操作時のニュートラルにおけるドリブン側への伝達トルクは小さくなりますので、ニュートラルから1速へ入れる際のガツンと来る衝撃は緩和されることになりますです。 
付け根に入れる事でクラッチプレートの移動範囲も均質化されるから、スプライン部の摩耗段差も分散しますし… 
この衝撃軽減は、長い目で見ればクラッチバスケット等のメカ部品に対するダメージ軽減にも役に立つかもしれませんね~