オートスタッフ末広、と言ってもたぶん分からんという人が居るかも知れないけれども、2ストローク車が好きな人ならNC431Vは知っている人も多いんじゃないかな〜。
http://as-suehiro.a.la9.jp/sai.html

VFRの車体にNS400Rのエンジンを積み込んだバイク。
repu1
※画像のリンク先から引用してます
このものゴッツイバイクはヤマハ版とも言うべきTZRにRZVのエンジンを積んだバイクもございます。
そのゴッツイRZVに乗っている人に「CDIは1KTのもの使ってるよ」とか教えて貰いました。

え〜4気筒なのにそんな事あるんかいなと。
確かにRZVはちょっと変わったエンジンの構成になっていて、パラツインの二基掛けみたいなものなんだけど、どうなってるんかしら。


ちょっと調べてみました。

CDI側


RZV500RのCDIはきれいに分解されている方がおられます。
こちら Sam's Bar。このサイトのこちらを見ると、カプラは珍しい防水9極。

この辺を見ると、8芯しか使ってないっぽい。
http://www.rzv500r.net/wiring-RD500.pdf

で、分解した内容は正に1KT世代というか、SDRと同年代のCDI。
マイコンじゃなくてカスタムICの頃のものやね。

詳しくは分からないんだけれども、緑色に輝く巨大なコンデンサ・・・
なるほど。なるほど。

180度点火としても、同時に2発イグニッションコイルを叩かないといけない。
なのでこれだけデカイコンデンサを積んでいるのかもね。

配線自体は
  • 入力は、いつもの緑茶赤。これで充電。
  • 緑白、赤白の線がピックアップ信号。
  • 後は黒白のキルスイッチ、
出力は、
  • オレンジ線×2でイグニッションコイル×2
    サイリスタは一個しかないから二重化されている訳では無い。
  • 黒黄のYPVS。
まぁ至って普通。

発電機側


  • ピックアップは同じ。
  • 肝心のコンデンサを充電するエキサイタコイルが随分とユニーク。
    RZやらTZRと比べると、低速側の抵抗値は低い、つまり大電流、高速側の抵抗値は高い、つまり高電圧に振っているんかなと。
波形は一度測ってみたいですね〜

イグニッションコイル

イグニッションコイルもユニーク。
一次側の抵抗値が倍位あります。
RZ500Rの場合、CDIはイグニッションコイル4発同時点火(爆発は2気筒づつ)なので、あんまり電流が出過ぎないように設計したんだろうなぁと思います。恐らくサイリスタの定格を守るためでしょう。

YPVSコントローラ

  • SDRと全く一緒。セッティングは違うだろう。以上。

纏め


RCDIをRZVに「ちゃんと」対応させようとしたら、コンデンサ容量を調べて装着。
後はそこに合わせて線を繋ぐ位かな〜と思います。
これでフルデジタル化完了。
机上調査の結果では、車体側が考慮してくれているので、CDIは殆ど何も触らなくても良いと思います。

RZVのCDIに搭載されているコンデンサ容量は、分解しなくてもテスタをカプラに突っ込むだけで調べられます。
コンデンサー容量を計測できるテスター(千円位のもので測れます)を使い、テスター赤をオレンジ線、テスター黒を黒黄線につなぐだけです。
IMG_5394
手持ちのSDR用CDIでは1.57uFと出ました。
問題無く測定できています。
同世代のRZVもこの方法で調べられます。
果たしてRZVのコンデンサ容量は・・・?

追加コンデンサの装着の仕方。
RCDIなら最初から大きいコンデンサを投入するか、追加コンデンサ用のスルーホールを使います。
純正なら、オレンジ線と黒黄線に追加のフィルムコンデンサを付ければOK。


一応今回の情報はこのエントリーにも追記。

フルデジタル化のメリットは、ここにある様なフルパワー化を図る時に、中速域に負担を掛けずに進角出来るってところですかね。
流石にここまでやるとCBRにも直線でもついて行ける気がします。