調べて分かる事については一切記載致しません。
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制作は以下の手順で行います。
1. ファイルのダウンロード
2. 部品収集
3. 組み立て
4. マイコンへファームウェアの書き込み
5. WindowsPCからセッティング

ファイルのダウンロード

ファイルのダウンロードはこちら(SDR200用電装アーカイブ)

ZIPファイルを解凍します。
ZIPファイルの中は以下の様なディレクトリ構造になっています。
osr-cdi
├─circuit
│  └─others
├─firmware
│  ├─osr-cdi120.X
│  └─src
└─wincdi
    ├─exe
    ├─setup
    └─...<others>

circuit:基板の図面、回路図、基板発注用のファイル等が入っています。
others:とても小さい基板が入っていますが、通常使う事は無いです。
firmware:OSR-CDIのマイコンに書き込むソフトウェアが入っています。
osr-cdi:MPLAB X IDE4.0用プロジェクトファイルです。
src:マイコン用ソースコードです。
wincdi:設定書き込みソフトのWindowsPC用プロジェクトファイルです。
exe:設定書き込みソフトです。
setup:設定書き込みソフトのインストーラです。

部品収集

必要な部品は、基板と電装部品です。


基板はGerberファイルがあるのでそちらでお好きなところに発注してください。
ガーバーファイルはosr-cdi-vXXX.zipというファイルになります。XXXはバージョン番号です。
PCB基板の発注方法は様々な発注先、様々な発注方法がありますが、2019年1月時点でElecrowが最も安定しています。
参考:基板発注の方法〜Elecrow編
FusionPCBで作成すると外径寸法が若干大きくなります。
Version1.2.1の基板からFusionPCBでも使えるように調整していますが、現時点ではお勧めしていません。


電装部品はパーツリストを参照してください。
パーツリストにはSDR、RZ250R(29L)、R1-Z、RZV500Rのものがあります。
車種毎にカプラー形状が大きく違い、TZR250(1KT)等現在販売されていないカプラーを使っているものもあります。
この様な現在販売されていないカプラーは古くもなっているので刷新をお勧めします。
リストに無い車種は調べて是非ともフィードバックしてください。

電子部品の取り付け

材料が揃ったら、基板に部品を取り付けていってください。
以下の参考文章・動画は制作開始前に全て閲覧する事をお勧めします。
成功率が断然変わってくると思います。

参考:ハンダの方法(1)
参考:ハンダの方法(2) TO-92パッケージのハンダ
参考:RCDI2.4:基板仮組み
参考:ハンダの小技
参考:【動画】ハンダの方法(1)
参考:【動画】ハンダの方法(2) TO-92パッケージのハンダ
参考:【動画】配線のハンダ
参考:【動画】OSR-CDI:ハンダ部分のメイキングビデオ
RCDI Ver2.1の頃のもので少々古い記事なので、あくまで参考までにですが、以下もお読みください。
参考:自作CDI:【v2.1纏め】実装編

基板にはケースの蓋が付いていますので、はじめに切り取る必要があります。
蓋の形に添ってPカッターで両面から削ります。
IMG_9337

両面から1/3程度切り取れば後は折れますので、鉄用やすりで形を整えます。
蓋の部分はしっかりと面を出さないとケースにしっかりとハマりません。
IMG_9339

IMG_9340

次に部品を乗せていきます。
SDR用は若干特殊でダイオードが一点追加になります。
コンデンサ容量(4.5uFと2.2uF)は機種によって違いがあります。
純正に習ってシングルは1.5uF、ツインは2.2uF、四気筒(RZV)は4.5uFのコンデンサ容量を装着します。

基板にはオプションポートが存在します。
ファームウェアを改造して使う人の為にありますので、普通に走らす為には不要の物です。

optionport


上記赤枠で囲った部分は、空けておいて大丈夫です。

(1) マップスイッチ入力
2点のポートからなります。これをトグルスイッチ等で短絡(Close)、解放(Open)させることによって点火時期、パワーバルブのマップを切り替える事が出来ます。
ダブルコードを装着するだけなので、これはなるべく実装しておいた方が良いと思います。

(2) クイックシフター入力
3点のポートからなります。1点は12Vの出力が出ています。残り二点はGND、センサーポートとなります。センサーポートをGNDに短絡(Close)、解放(Open)させることによって、クイックシフターのオンオフを制御します。
例えばバトルシフターなら、センサーポートとGNDをバトルシフターと接続すれば動作します。


(3)パルス信号
部品を実装した場合、SIG+からプラス12V、SIG-からマイナス12Vの信号がそれぞれ発生します。
点火一回に付き一回の信号が出ます。主にタコメーター用の信号線に使われます。
社外品のタコメーターで、ピックアップ信号線(白/赤、白/緑)からの信号で動作させている場合、OSR-CDIでは上手く動作しなくなる事があります。その様な場合、ここの信号で試してみてください。

(4) オプション入出力
PICマイコンのポートと直結しています。PICマイコンのプログラムを書き換える事によって自由に使う事が出来ます。

とりあえず最初はマップスイッチ位を実装すれば良いと思います。

詳細は回路図を参照ください。


部品を実装したら以下の様になります。(Version1.2.1)
IMG_9343

IMG_9344

参考までに過去の基板の情報です。
SDR用に作成した基板(Version1.0.2)
IMG_6058
SDR用の違いはダイオードが一点追加されるだけです。

IMG_6059

接着

サイリスタ、モータードライバー、電解コンデンサーは接着剤で接着します。
これは振動対策です。


配線

ケーブルは動作に必要な最低限のもので合計15本、マップスイッチ切り替えを行う為に必要な2本の合計17本になります。
以下は15本の配線詳細です。
意味を理解すればおおよそ、AC-CDIの車両は接続可能です。以下の図はよく確認してください。
borad
ピックアップ信号は、白/赤線、白/緑線、(もしくは白/黒線)が存在します。


YPVSの電源線(茶/黒)とチャージコイル用の線(茶/黒)は色が被りますが別物です。間違えないように注意してください。
基板に記載している配線はRZ250R(29L)の物です。
車種によって配線色が変わりますので、意味を理解した上で接続してください。
haisen

オプションでクイックシフター等を装着すれば、更に増えます。
IMG_9346

各種ケーブルはメーカー純正同等のAVS-fの0.75sqを準備してください。
詳しくはパーツリストを参照してください。
マップスイッチ切り替え線は電流が殆ど通らないのでエーモンの0.2〜0.5sqの2芯で良いと思います。

マップスイッチは細くても良くて切れなければ良いだけです。

配線のハンダはこちらで動画込みで説明しています。


ケーブルは基板に対して「垂直に」、「押し付けながら」ハンダしていくのがコツです。
相する事によって断線に強い基板が出来ます。

ケース蓋面の中央に14mmの穴をあけて、グロメットで保護しながらケーブルを通します。
この時もケーブルは垂直を維持してなるべく緩やかなカーブを描く様に配線してください。
グロメットが無いとケーブルは断線します。
IMG_5909
シリコンスプレーがあれば、塗布する事によってスムーズに通す事が可能です。
グロメットは規格品でNG79G型が合います。
大き目のホームセンターなどで調達できると思います。
https://www.monotaro.com/p/0933/3895/


ケーブルは内側でタイラップで縛ると、引っ張られた時に抜けにくくなり、基盤に負担が掛からなくなりますので必ず施工してください。
IMG_5908

IMG_5910

カプラーと電線の結線は、ダウンロードしたファイルの回路図を参考にしながら行ってください。

ギボシと電線のカシメ方については以下で動画込みで説明しています。
電線とギポシのカシメ方

ピックアップコイルとの接続

ピックアップコイルから、マイナス→プラスの順番で信号が来るようにする必要があります。
基準線(GND)をどちらに持ってくるかは以下の通りです。
RZ/R1-Z/RZVは、白緑を基準線(GND側)、白赤を信号線とします。
SDR等の単気筒は、白赤を基準線(GND側)、白緑を信号線とします。
ピックアップ信号の配線色は車種によって違いますのでご注意ください。

発電機との接続

CDIのコンデンサに充電するコイルは、TZR/RZ/RZV/R1-Z等の二気筒車は以下の様に2つのコイルが直列に繋がっています。
coil
今のところ、二気筒車のコイルから出てくる配線は、赤/茶/緑で確定しています。
実車で色が違っている事はまだ確認されていません。

サービスマニュアルは車種によって間違った配線図が書いてます。
ヤマハのサービスマニュアルは、特に配線図は誤った記載が本当に多いですので注意してください。
完全に実車と一致している配線図の方が少ないです。
念の為上記の図に記載の通りとなっているか実車を確認されると良いでしょう。

YPVSとの接続

YPVSの配線は車種によって様々ですが、必要な線は5本で全車共通です。
またYPVSモーター側は2種類しか無く、配置は以下の通り共通です。
YPVS
YPVSの開度を調べるための3本線に加え、モーターを正逆転させる為の動力線二本です。
OSR-CDIの回路図を良く見て、上記の通り接続してください。

SDRについて

SDRは発電コイルとCDIの間に4本の線を使います。
ところがそのままだと車体ハーネスのGND線(メスギポシ)が一本余ってしまいます。
純正CDIを良く見るとGND線が分岐しているのが分かると思います。
OSR-CDIでも同じく、GND線は分岐させてください。

RZVについて

RZV500R用に作成した基板(Version1.0.0)
IMG_5703

RZV500Rは4.5uFのコンデンサ容量が必要なので、1.5uFを3個搭載する必要があります。
IMG_6500
1.5uF/400Vの指月製コンデンサを3個使い、合計4.5uFにします。

RZVのカプラー配線は有志の方が調べて下さって、とりあえず以下のもので動作しています。
rzv500wire

RZV500のCDIとYPVSは黒/白の線で結ばれます。
OSR-CDIは黒白線は不要です。しかしタコメータが必要なので、ここにはキルスイッチである黒白線を接続します。黒白線はYPVS側、CDI側、どちらに接続しても構いません。

IMG_6497

IMG_6498

IMG_6499


USB端子

USB端子はミニBを採用しています。
セッティングを楽する為にはこのUSB端子にケーブルを接続する必要があります。

必ずUSBケーブルを刺すかテープで蓋をして埃や雨水等の侵入を抑止してください。
IMG_6063

L字型のUSB端子等はアマゾン等で購入できます。
ご自身の車体、装着方法に併せて適当なものを選択してください。
IMG_6158
上記はSDRに装着したOSR-CDIにUSBのL字ケーブルを接続した例です。
IMG_9753

IMG_9752

純正電気式タコメータ


純正タコメータを動作させるには、少し注意が必要です。
タコメータの信号線が橙色の線に接続されているタイプは心配する必要がありませんが、85〜87年頃の車種では灰色の線に繋がっているものがあります。こちらは少し工夫が必要です。
詳細はFAQを参照してください。

サイドスタンドとニュートラルスイッチ

一部のデジタルマイコン化されたCDIはサイドスタンドスイッチ、ニュートラルスイッチに連動してCDIの点火を止める回路が入っています。
ss-siwtch
OSR-CDIではこの回路に対応していません。
3MAのサービスマニュアルによると上図の様な回路が構成されているとの事です。
恐らく3XCまで同じ回路が使われていると思いますので、必要であれば上記の図を参照にして回路とプログラムを組んでみてください。

タカチケースへ基板を固定

秋月のタッピングビス(3x5) 通販コードP-10254
が適すると思います。

防水対策

OSR-CDIは電子部品が密集していますから、少しの水滴でもショートしてしまう可能性があります。
従ってどうしても濡れてしまうような場所に設置する場合、防水性を増す為にはシリコンで埋めてしまう事をお勧めします。
ただ、一度やってしまうと不具合発生時に修復する事が不可能となる為、暫く動かしてからが良いと思います。
自作電装部品のトウフ化
シロキサンが入っているシリコンコーキング剤は基板を激しく腐食しますので注意してください。

若しくは、結露しない様に空気穴、水抜き穴をあける事も検討してください。
箱の中が中途半端に密閉されていると結露します。
SDRは濡れず、熱ももたない場所なので、自分は水抜き無し、シリコン無しで運用しています。

マイコンへファームウェアの書き込み

OSR-CDIは点火時期の計算にマイクロチップ社のPIC16F1455を使っています。
基板組み立て後、PICの製造元であるマイクロチップ社から開発環境をダウンロードして、ファームウェアの書き込みを行います。

開発環境は最新の物では無く、
・MPLAB X IDE Version4.1
・XC8コンパイラVersion1.45を利用します。
過去の開発環境は以下からダウンロードできます。
https://www.microchip.com/development-tools/pic-and-dspic-downloads-archive
ダイレクトリンクは以下の通りです。
MPLAB X IDE4.1
XC8 Version1.45

(注)開発環境は常に最新のものがベストでは有りません。ある開発環境で作られて「検証されたもの」がベストです。
XC8 Version2.0系のコンパイラはVersion1.4系とは別物なので、コンパイルは必ずXC8 Version1.45を使ってください。

まず、MPLAB X IDEをインストールします。次にXC8をインストールします。
順番を間違えない様にしてください。


ファームウェアの書き込みは、マイクロチップ社製のPickit3を利用します。
ファームウェアのソースコード、コンパイル済みのバイナリファイルはfirmwareフォルダに入っています。
基板が完成していれば、USBミニBポートから給電しつつPickit3で書き込むことが可能です。

Pickit3での書き込みは、PCとPickkitをUSBで接続し、基板にもUSBで給電した状態で行います。
usbconnect
一部の古いPCでは基板に対する電源供給能力が低い為に上手く行かない場合があります。
その時は基板にはUSB給電器を使って電源を供給してください。どちらかと言えばそちらの方が確実です。

IMG_5794
Pickit3は接続して暫く経過すると、省電力モードになって電源がオフになります。
もしMPLAB X IDEがPickit3を認識できない場合はUSBを再接続してください。

MPLAB X IDEを立上げ、[File]-[Open Project...]を選択し、ダイアログが表示されたら、ダウンロードして解凍したOSR-CDIフォルダの中のFirmwareフォルダを開き、プロジェクトファイルを開きます。
mplabx001

Pickit3と基板が接続されている事を確認し、メニューバーの「Make and Program device」のボタンを押下します。
mplabx002
これで基板にファームウェアが書き込まれます。
上手く行かない場合は再度手順を確認する事と、基板に対する電源供給を見直してください。


上手くファームウェアが書き込めれば、WindowsPC上でそれを確認できます。
connect

この時点でどうしてもUSBデバイスとして認識しない、自分で調べても分からない人は、詳しい友人を頼ってください。若しくは諦めてください。
何かを勘違いしているか、ハンダを失敗しているか、部品を間違えているか、失敗する原因は無限にあり、人にはその原因は分かりません。従って現物を持っている自分自身でそれを特定して修正する以外にはありません。

ピックアップコイル位置の設定

適当なマップで動作確認が済んだらすぐにエンジンを停止し、マップ0、マップ1に、10度、20度固定マップを入れてエンジン始動を試みます。
タイミングライトを当てて10度、20度になるかを確認します。
点火時期は1度2度ズレたところで純正エンジンが壊れる事はありませんが、この作業はなるべく早い段階で行っておいてください。

man OSR-CDI:目次