OSR-CDIがDT200やTZR/RZ125で無用に進角する問題。
たまたまとは思うけど、電装友の会でタイミングライトを見ている人が2人居て、頼りっきりになっています。
パチロクさんは2気筒版を作り、単気筒版はこの人達が作る事になるのか・・・。
自分も37F用作らないといけないので、一緒に進めましょう。
今回ほど、電装友の会があってよかったと思う事は無いですわ。

さて、3TYだと、どうも進角が+12度位になるらしい。

37Fに関しては、ゼロヨンマン大下さんがわざわざ沢山の写真を送ってくれました。
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フライホイールは34Xとあったので、電装友の会の人が調べてくれて、サービスマニュアル上は37Fと共通のものという事が分かった。
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裏面はこんな感じ。
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クランクケース。
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37Fはピストンリードバルブなので、やっぱりクランクケースリードバルブとは全然違う。
上死点

37Fの問題

これらの情報を元に考察してみた。
37F02
すると、ピックアップコイルの真下に突起が通る時のクランク角はSDRとほぼ同じだった。
おかしい、、、なぜこれで進角してしまうのか。

わからん

この辺はもう実機が無いと無理やね。
ピックアップコイルが違う位しか思いつかない。

ま、それはおいて置いて、3TYな方々から、+12度進角してしまうという話があって、対応するソフトを作りました。

ソフトバージョンアップ

ピックアップの位置を手入力出来るようにしました。
01
まだ不具合がちょっと残っていて、書き込みだけ成功して、読み込みが成功しないとのこと。
MPLAB Xで読み込んでみると正しくマップは入っていた。
まぁそれは簡単に治るとは思うので別途考える。

ちなみに自分が作った基板だと、なぜか上手く行く。

例えばピックアップ位置を進めて書き込む。
02

これを過去のOSR-CDIで読み込むと、この通り遅角する事になる。
03

第二の問題

これでひと段落するかと思ったら、次は単気筒用に作っている保険点火が邪魔している。

SDR版OSR-CDIはもう歴史が長くて、過去の遺産としてピックアップ信号の第二波で強制点火をするようになっている。
つまりPICマイコンが壊れてもお家に帰ってくるようになっている。

SDRのピックアップ信号はBTDC71度で第一波、BTDC7度で第二波がやってくるのが実測で分かっているので、これを利用している。

ところがPICマイコンはとても丈夫でこれが壊れた事は無いので、今となっては不要なもの。
では何故この機能が生きているのか。
それは、この保険の強制点火をなくすとアイドリングが途端に不安定になるからだ。

この第二波はRZR系のOSR-CDIでは採用していない。
何故なら第二波がBTDC17度と、かなり早いタイミングでやってくるからだ。
これを生かしておくと、高回転までぶん回した時でも17度で強制点火をしてしまうので、エンジンに大変よろしくない。
なので、この第二波は無くしたんだけど、RZRではSDRと違ってアイドリングもとても綺麗に回る。
う〜む。
色々とパチロクさんとの会話や、過去の自分を振り返ってみると、いくつかの可能性が見えて来た。

まずRZRに対応した時に、「クランク回転数が遅すぎてタイムアウトしちゃう」問題は解決済み。

フォトカプラに入るピックアップの電圧もRZRは高いんだけど、SDR版と同じにして定格内。

ここがちょっと引っかかる。
RZRだと定格内なんだけど、割とギリギリのライン。
SDRだと余裕。

問題は余裕過ぎる事。
実はSDR版を最初に設計した時は560Ωで設計していたんだけど、もう少し余裕をもって820Ωにしていた。
もしかして、これが原因で低回転の時にフォトカプラが発火していないんじゃないか・・・。
保険の強制点火があったので、これで全然問題無かったんだけど。

そして解決へ

さて、ちょっと試してみる。
ファームウェアをOSR-CDI 1.0.3を入れなおす。
IMG_7739

基板は第二波を使わず、RZの様な形に変える。
IMG_7760

そして、、、ピックアップ信号を拾うフォトカプラの抵抗値を820Ωから560Ωに変更。

蓋をしてエンジン始動。


う〜ん、普通。
強制点火が無くなったので、アイドリングのテンポが変わった気がする。
そのまま走ってオーバーレブまで引っ張ってみる。

あ〜れ〜・・・いつもより伸びる?
RASCのパイロットランプがパカパカ光る。
RASCはTM32SSのエアソレノイドジェットの動作確認用LEDで、現在馬鹿モードというオーバーレブで燃料を薄くするセッティングを入れている。
これがいつもより激しく点滅する。
という事は上が伸びているって事だ。

状態良好につき、これは岡国の津村選手号にも採用せねばなるまいよ・・・。
とりあえず、これで問題は解決する事となった。
後は不具合を取って、動作確認モードに入る様にします。

平日時間が取れたらソフトウェアの改修を進めます。

電装友の会の皆さん、大下さん、本当にありがとうございます。

つづく