自分がSDRを手に入れたのは、2010年の事です。
あれからもう10年近く経ちました。
1987年製のSDRは当時から旧車に近かったのですが、今となっては「本格的な」旧車になりました。

ちょっと色々と考え直す良い機会が続いたのでその辺を。


たまたまなんですが、近所のSDR乗りの方々2名(ここでは江戸川さんと葛飾さんと書いておきます)が、エンジン不調で現在メンテナンス中となっています。
どちらも腰下の課題で、一方はシール類抜け、一方は多分ベアリング破損。

葛飾さんのエンジンはシール抜け。Facebookに上がった写真は、あまりにも良い写真でしたので、ちょいと拝借します。
sealout
これは見事なシール終了のお知らせです。

江戸川さんのエンジンは、シリンダーに錆の跡があったので、暫く休眠状態が続いたエンジンだったのかも知れません。この時にベアリングも錆びてしまい、寿命が縮んだ可能性は十分にあります。
しかしそもそももう30年以上前の車両なので、一度もメンテナンスしていないエンジンは、そろそろ限界なのかも知れません。

IMG_2915

10年前ならシールが抜けていたら、シールを交換すれば良かったのかも知れませんが、今となっては「シールが抜けている」は「腰下やってないかも」となり、腰下のオーバーホールもそろそろじゃないですかね、という事になるのかなと思います。
恐らく、更に10年後は「シールが抜けている」は「はい、即フルオーバーホール」になるんでしょう。


つい先週、こんな質問が来ました。
「SDRを買おうと思っている、バイク屋で約40万円という価格は平均的なのか?」
「お金が掛かるのは困る」
まぁ正直分かりません、とお答えしました。
むしろ、その様な質問をする人には旧車の2ストローク車なんて極悪非道なバイクは正直向かないんじゃないかとは思いました。
自分は、人の意見を参考にするのは良いのですが、「〇〇という人がこういう事を言っていた」とか「雑誌にこう書いてあった」「ショップが整備したと言っていた」等と自分で判断しないのは、旧車の維持は不向きなんだろうな、、、等とか思っています。
なおさら、40万円の価値なんて、例えばソフトバンクの孫さんからみれば塵芥ですが、日本人の平均的年収の10%でもあります。その価値を他人が判断するのは非常に難しいところです。
(質問頂いた方、本当にすみません)

その後SDRを在庫しているというバイク屋に問合せを入れたんだそうです。
すると
「在庫としてはあるけど、程度が良くないので、今は出していない」
「SDRを買ってもエンジン開けないと怖いから更にお金が掛かる」
と言われたそうです。
「ヤマハの失敗作」「200ccの2stは、エンジンが壊れすぎる」
とまで。
お店を教えてもらうと、沢山の2ストロークが綺麗に並んでいましたし、そこそこ知られたショップでした。
ふと、自分はこのバイク屋さんは良心的だなぁと思いました。
この質問をしてきた人は、なんと二輪免許無いんだそうです。普通二輪が初めての人にSDR、、、普通はオススメしませんよね。
つまり、多分この店主が在庫しているにも関わらずこんな事を言うのは、販売をお断りしたかったのではないだろうかと想像します。
今後どこが壊れていくのか誰にも分かりません。
フレームのクラックが発生するかも知れませんし、オイルポンプが動かなくなるかも知れません。
新車でない以上その辺のリスクはあると思いますが、旧車はまず「部品が無いかもしれない」リスクもあります。
なおさら、40万円の値段の妥当性で悩んでいる位ですと買った後後悔するかも知れません。
更にお金が掛かる可能性は相当レベルである訳です。

きちんと情報を集めて、色々と時間を掛けて試行錯誤できるのであれば、SDR200もまだまだ楽しめるとは思います。
例えばピストンなんて既に皆さんYFS200ブラスター用のピストンを入れていたりしますし、電気関係も修理方法は全て確立されています。

先月、シンガポールのSDRユーザーが、エンジンが焼き付いた、これはなんのピストンなんだ?と上げた写真がこれです。
37f
なんのピストンだろう。自分が入れているプロックスYFS200用の物とは違う様です。
ただ、ピストンリードバルブの200侫團好肇鵑任垢ら、DT200RやYFS200系のピストンですよね。
更に、その昔新品のピストンと聞いて手に入れたものがこちらです。
IMG_2926
いやいやいや、、、。
まぁ入れても問題は無いんでしょうけど。

しかし、これらの純正指定外の部品を入れて大丈夫なのか?って、メーカー指定の物とは違いますので、誰かが保証してくれることは絶対にありません。
少々高いのですが、井上ボーリングのICBMって手段もありますけど、これだってヤマハ純正って訳でもありません。


80年代〜90年代の2ストロークバイクは、とても魅力的なのですが、それを楽しむ為のハードルはどんどん上がってきています。
あくまで一般論ですが、これから始める人は、
  • 最初からフルオーバーホールされた車体を買える運か資金がある
  • 壊れても業者さんに丸投げして完璧に仕上げて貰える潤沢な資金がある
  • 壊れても自分である程度治していくガッツと、ある程度の資金がある
  • 若くてなんでも自分でやれるだけの時間と体力がある
位じゃないと厳しいかなと正直思いました。
まぁ新型カタナ買う位の資金があれば、余裕の丸投げは出来るとは思いますが・・・。



前述の「40万のSDRは妥当か?」の方は、その後教習所に通い始めたそうです。
2ストロークにしたって、人生にしたって、残り寿命がそれほど残されている訳ではありません。
なので、一歩踏み出すそういう方向も良いとは思います。
10年前よりも維持していく事に関しては(お金とガッツがあれば)むしろ改善しているのは確かです。

なお、一緒に書いてあった「メルカリに出ているSDR」については、自分はメルカリ知りませんし、今後その手の質問に答える事もありません。

とまぁ、そんなこんなが色々と重なった2019年。
自分は「SDR200は人には勧めない」というスタンスになりました。
人によっては、なんだこのボロ、直ぐ壊れよる、とか思っちゃうかも知れませんので。
いや、現状、そういうもんです。

誰にも勧められなくても、それを乗り越えて手に入れるのが旧車関係の趣味なんだろうと、なんとなく今は思っています。
70年代の2ストローク車などがそうである様に、ある程度自分で情報収集しながら手を動かしていかないと、潤沢な資金があっても維持できなくなる日も段々と近づいている気がします。

SDRは希少価値の高い、そして抜群に面白いバイクです。
人に勧められなくても、苦労があると分かっていても、それを乗り越えてSDRと走りたいと思ったら、是非ともどうぞ。

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