OSR-CDI v2はその後主に田宮氏によるSDR試験が進み以下の事が分かって来た。
  • 始動性はかなり改善する
  • 電圧が10V付近でエンジンが止まる事がある。それ以下だと止まる。
  • TLP250Hは10V以下で動作しない安全回路が入っており、TLP351にするとその安全装置は解除されるっぽい。
アイドリングで10V程度なので、パチロクさんも田宮氏も、両方バッテリー、それどうなん?という状態だったので、問題が顕著に出て良かった。
取り急ぎ、田宮さんもパチロクさんも東芝さんがわざわざロバスト性を高める為に入れてくれた良心回路を外して、TLP351に移行している。


さて、10V程度で止まるのは仕方がないかなと思っていたんだけど、改善するなら改善しておきたい。
まずTLP250、250H等は東芝良心回路で動作が止まる。
しかしTLP351にしても停止するのはなぜか。
7805レギュレータという話もあるけど、流石に10Vあれば5Vの供給は可能でしょう。
実際のところ、OSR-CDIに入る電源は、逆接続した時に燃えない様にダイオードが最初に噛ましてあるせいで、大体0.7V〜1.1V位電圧降下がある。
とはいえ、9Vあれば大丈夫なんじゃないかな。

という事でMOSFET側を疑ってみる。
今回採用しているTK20A60Uのデータシートから、ゲート電圧部分を再読してみる。
tkvgs-vds
10Vまで電圧降下した後、ダイオードのVF値で更に1V落ちたとしたら、9V程度。
まぁイケそうなもんだけど、心もとないのはある。
鉄板MOSFETである2SK3234とかだとこんな感じ。
3234vds-bgs

まぁ大体7Vあれば余裕かな。
3234vgs-vds
2SK3234はスイッチング昇圧回路で良く使われているかなりメジャーなFETで、入手性も良く、ウチにも幾つか転がっていた。
秋月の説明は以下の通り。
ルネサステクノロジ Nチャンネル高耐圧パワーMOSFET
電源,DC-DCコンバータ向け
・耐圧(VDSS):500V
・ID=8A
・低オン抵抗:RDS=0.65Ω・スイッチングスピードが速い:tf=25ns
ちなみにTK20A60Uの安全領域と比較してみる。
まずTK20A60U
loss003

対して2SK3234の安全動作領域グラフはこんな感じだった。
3234msoa
OSR-CDI V2はコンデンサ放電を30us〜40usで行うので、単発なら全然大丈夫な範囲。
まぁ400V掛かってるのも一瞬だしね。
これまでの調査で、そんなに大量に電流も流れない事が分かってるし。
TK20A60Uの過渡熱抵抗グラフ
rth-tw001
2SK3234の過渡熱抵抗グラフ
3234ntti
前回計算した方法で再度計算する。

データシートからチャネル・ケース間熱抵抗 (θ ch-c) は3.57 °C/W とあるので、
rth(t) / 3.57 = 0.015
rth(t) = 0.054℃/W
データシートよりチャネル温度Tchは150 ℃となっているので、外気温25℃の時に125℃上昇するとチャネル破壊される。
1Wに付き0.054℃上昇するので、2314Wを加えるとチャネル破壊される計算になります。
0.176ジュールを0.0025s間隔で消費していくので、J = Wsの式から、400Wとなり、2314Wに対して結構な余裕がある事になります。

と実はTK20A60Uとほぼ同じ結果になった。
結構、余裕があるのは、現在付けているTK20A60Uが全く暖かくもならない事からなんとなくそうじゃないかな〜とは思っていた。
こんな感じで色々と考えてみると、例えば2SK3115とかでも良いのよね。
どれもピンアサインもパッケージサイズも同じなんで、ちょっと試してみようかな。

っても、自分のSDRはバッテリーはビンビンだぜ、なので、試し辛いんだけど。

つづく