RGV250ΓはVJ21だけで沢山のバージョンがあるんだけど、ウルフ250は合計4種類あるみたい。
スズキのJ型は88年式、K型は89年式、L型は90年式。

ガンマVJ21(RGV250)
88年 J型・FJ型(SP仕様)、89年 K型・FK型(SP仕様)の4種類。

ウルフVJ21(TV250)
J型→K型→AK型→L型
と続く。
AK型とは、速度警告灯が撤廃されただけの違い。

ガンマは90年式L型からはVJ22になっている。
ウルフL型は余ったVJ21の部品で作られたのかも知れない。
ちなみにネットで見ると、VJ22は殆どVJ21.5という仕様の様で、次年度の91年度式のM型でほぼ別物に変わっているらしい。(RGV250.JPサイトのここに書いてあった)

ウルフのJ型→K型はガンマにつれて変更になっているんだけど、じゃぁK型→L型の変更ってなんじゃろか。ガンマ側はVJ22型に移行している訳だし、つれていく相手が居ない。
その辺も含めてちょっと調べてみます。

すこし話はそれますが、ガンマはVJ23まではクランクシールがラビリンスシールです。
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TZR250(1KT)等も同じくラビリンスシールなんだけど、重要部品が出なくてご臨終という事も無く、その点については安心。
昨今話題の井上ボーリング製ラビリにお世話になる事も無い。
その分エンジン幅は広がる訳ですけど、今となっては金属製シールの方が安心できます。
ここは非常に大きなポイントで、経年劣化による腰下分解の可能性がかなり低減されます。

RGV250JとTV250Jの違い

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公的な認定番号(II-153)、形式(スズキVJ21A)共に共通です。

RGV250J型からTV250J型への変更点は
・ノンカウル
・シングルディスク
・ヘッドランプ
・メーター
・ラジエターカバー
とあります。
後は細かいところで減速比と足回りのセッティングが変更になっています。
ガンマは1988年3月発売、ウルフは1988年6月発売という事で、ほとんど最初からV型ガンマはノンカウル版であるウルフも併売するつもりで開発されていたのが分かります。

自分がウルフで気に入っている点のひとつでもあるシングルディスク。
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昔からダブルディスクにしないと放熱が間に合わない程サーキットガンガン走る訳でもなく、重たいだけのダブルディスクはメンテナンスも面倒だし。
最近テイストオブツクバの出場車両もわざわざシングルディスクにしている位ですし・・・。
RGV250JとTV250Jの車重はそれぞれ
RGV250J 157kg、TV250J 154
と3kgの違いがあります。
そのうち前軸側の差は2kgで、ブレーキ回りで1kg位は軽量化されているんじゃないかと思います。
ブレーキは重いので。

ブレーキディスクは、ディスク有効径に
RGV250J  255(Φ290)、TV250J 275(Φ310)
と違いがあります。
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後は、ブレーキマスターがRGV250Jは別体式、TV250Jは一体式と違いがあります。
RGV250J 15.9(5/8inch)、TV250J 12.7(1/2inch)
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RGV250JとTV250Jは減速比が違うと言われますが、変速機(つまりミッション)は全く同じで、減速機(つまりスプロケ)が違うだけです。
RGV250J 14丁/44丁、TV250J 14丁/46丁
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ちなみにウェビックのサービスデータやモノタロウのサービスデータはRGV250JもTV250Jも間違えているのか、パーツリストとの記載が違います。
要注意です。

街乗り様ということなのか、ラジエターは小型化されている様です。
ガンマの奴を見たことがないので詳しくは分かりませんが。
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サスペンションは前後とも基本は同じなんですが、TV250Jはイニシャルアジャスターが省かれています。
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なお、フロント、リア共にスプリングは共通の様です。
RGV250J、TV250J共に
前ばね寸法 4.2 x 31.4 x 309.7-29.5mm
後ばね寸法 10.2 x 62.2 x 212.9-8.4mm

ところが整備データの方を見ると、フロントフォークスプリング自由長に違いがあります。
フロントフォークスプリング自由長
RGV250 293mm、TV250J 256.6mm
40mmも違っていて、自由長はウルフの方が短いのです。

またフロントフォークオイル量(インナーチューブ上端からの油面mm)
RGV250 429(最圧時110)、TV250J 454(最圧時75.9mm)
となっています。
これらはRGVがプリロード調整式のフロントフォークキャップを採用しているからでしょう。

なお、RGV250FJ(SP仕様)ではフォークは圧側・伸側ともに互換性がありながらも調整式になっています。
倒立じゃなく正立が好きな人にとっては、このフルアジャスタブルフォークは貴重品だと思います。


キャブレターは同じかと思ってたんですが、セッティングが違います。
RGV250J
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TV250J
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ウルフ側はメインジェット、パワージェットで絞りが入っています。
余りエンジンを回さないことを前提としているのかも知れません。
88年式は結構中間濃い目です。

TV250JとTV250Kの違い

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J型(88年式)からK型(89年式)の最大の違いは、デジタル化されたDC-CDIだと思います。
同じ電装使っているヤマハTZR(2XT)も89年式からフルデジタルCDIになっています。
みんなNSRに追いつこうと必死だったんですね。
ただ、それでもNSRはやっぱり一歩抜きんでおり、例えばガンマやTZRはチャンバー変更等の機械的な変更で出力を45馬力に落としているんですが、NSRは既に電子制御によって出力を抑えています。
つまりチョイとした変更でフルパワーに戻るという、ね。そらもうすぐにレースに出て勝てる訳です。
特に電装化の遅れはヤマハが最も大きく、DC-CDI化も遅れて91年の3MA2型まで掛かっています。
カワサキは・・・まぁおいといて。
90年式以降のガンマはデューティーソレノイドを使った無段階可変式エアジェットを採用し、この点はNSRよりも進んでいます。スズキに特許を取られたからか、NSRやTZRはエアジェット操作を機械的な部品を増やして対応しています。

ちなみに、この時のフルデジタル化は、中間出力を向上させつつも、、、同時に出力を落とす為に使われていると思っていて良いと思います。
例えばTDR50がデジタルCDIで、TDR80がアナログCDIなのは、TDR50にリミッターを付ける為の様に思えます。デジタルだと簡単に出力を落としたりリミッターを掛けたりする事が出来ますから。

TV250Jの配線図
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TV250Kの配線図
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J型でCDIとアクチュエーターコントローラが一体化しました。

また細かい話なんですが、点火時期の範囲が変わっています。
TV250J BTDC1°-22°
TV250K BTDC10°-26°
K型は全体的に進角が進んだのではないかなと思います。

ギア比はガンマにつられている感じで2速3速がローギアードされています。
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どちらかと言えば、1速を除いてクロスしているのがJ型で、全体的につながりを良くしたのがK型と言えるのではないでしょうか。
サーキット走行時等では、1速からの繋がりってスタート時に大切だったりしますんで、全体の見直しがなされた、、、のかもしれません。


キャブレターは、これまでのセッティングはなんだったんですか?という位変わっています。
TV250K キャブレターセッティング
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なぜかニードルジェットがE-0とありますが、パーツリストでP-0となっています。
流石にE-0は無いので(針が筒に入らない)、P-0が正解でしょう。
中間をガリガリ削って、パイロットをチョイ上げ。
更にメイン側を上げています。
パワージェットって、ホース内のジェットと連動してるんかなと。

TV250KとTV250Lの違い

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K型からL型になって、流石にあんまり変更点が無いのか、つまらないところが変更点として記載されています。

TV250キャブレターセッティング
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なんつーか、迷いを感じますね。
ホース内のジェットの中身は1.1に拡大されつつも、パワージェット自体は75で絞っています。
ここにきて、ホース内のジェットは一律となり、フロート側についているパワージェットでセッティングをしている様子。
自分のSDRについているTM32SSのセッティングは、どちらかと言えばホース内ジェットで調整してましたけど、考え方を変えた方が良いかもなとは思いました。

地味な話なんですが、エアクリーナーボックスも若干変更されています。
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メッシュが無くなってます。

更に地味な話なんですが、CDIは変更された様です。
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恐らくコイル関係の部品変更があったのでしょう。

ここまでがサービスガイド上の主だった違いです。
しかしサービスガイドに書いていない変更点がパーツリストからは読み取れます。

パーツリスト上の違い

気になるのはエンジン回りになりますが、厳密に言えばJ型K型はほぼ同じ、L型で結構大きく変更になっていました。

J型→K型の変更は、出力を下げる為の変更と上げる為の変更が入り混じっています。
理想はK型のクランクケース、シリンダーにJ型のチャンバー(スガヤ買えよって話ですが)なんですかね。キャブのセッティングはわけ分からなくなりそうですが。

【エンジン回り】
・シリンダ・ヘッド関係が左右とも変更(J→K)
・ピストン回りが変更(J→K)
・排気デバイスのボルトが改良品(K→L)
・リードバルブ、ストッパが変更(J→K)
・クランクケースが三回変更(エンジン番号で違いあり)
・左クランクケースカバーが変更(J→K)

JからKで、クランクケース、シリンダー、ピストンが変更になっています。
リードバルブ自体は実際に差が無いようですが、細かな材質変更はあったのかも知れません。
どちらも目視で違いは無いとネットで見かけました。

【キャブレター】
・ジェット類は全部違う
・バルブスプリングが変更(J→K)

スプリングが変更になったのは、張り付き防止で強化された可能性があります。

【チャンバー】
・チャンバーボディ(J→K)
・スタッドボルト(J→K)

ここは良く言われる、出力落とす為に口径絞った結果が出ている様に思えます。

【オイルポンプ】
・アッシー

アッシーの品番が変わってますけど、主要部品は同じ品番で、クランクケース変更に伴うホース長等の違いがあります。

【ミッション関係】
・プライマリギアが変更(K→L)
・ギアシャフト(エンジン番号)

ギアシャフトはJ型の途中で品番が変わっています。エンジン番号127523までと127524以降はかなりの部品点数で変更があります。
途中何らかの対策品に交換されている様です。

【ウォーターポンプ】
・シャフトが変更(K→L)
・パイプが変更(K→L)

パイプはクランクケースの変更が原因だと思いますが、シャフトは品番からして一部VJ22系の部品に変わっています。強化品なのかもしれません。

【ラジエター】
・ラジエターキャップ
・ラジエターカバー

カバーの色変更に伴い品番が変わっています。
キャップはコーションラベルの変更とかではないでしょうか。

【発電機】
・ローター(J→K)
・CDI/コントローラー(J→K→L)
JからK型への変更は大きなものがあるとして、CDI関係はL型でも丸ごと変わっています。
良くなったのか規制が掛かったのか。

【フレーム】
・フレーム(J→K)
・他数多く(J→K)
フレーム変更に伴い、関係するサイドスタンド等も変わっています。
またステップもK型から変わっていて、より楽なポジションに変更になっているとの事です。

【足回り】
・フォークアウター(J→K)
・フロントブレーキ(J→K→L)
ブレーキキャリパはJ型K型で大した違いは無くほぼ互換、L型で変更がややあります。
ピストンセットはJ型K型で一緒ですが、L型は変更になっています。
・リアブレーキ(J→K→L)
リアブレーキはJ→Kでホース、K→Lでリザーバタンクの変更が掛かっています。


これ以外にもこまごまとした変更はあります。

つづく