OSR-CDIと純正CDIの再調査の旅。
なんで、純正CDIとOSR-CDIでは、CDIのコンデンサ充電電圧が違ってくるのか。
OSR-CDIは350V。
純正CDIは220V。
この差は一体なんなんだろう。
1XGのCDIを根掘り葉掘りしていきます。
調べた結果、結局配線自体はOSR-CDIのやり方で問題は無く、純正相当の結線という事までは判明した。
あぁ良かった。
しかしなぜ充電電圧に差異が生まれるのか。
ダイオードが2倍付いているからだろうか。
ダイオードがなんで二個付いているのかと言えば、単純に片面プリント基板なのでブリッジ替わりに使われているだけだと思う。
純正CDIについているダイオードは4種類位あって、丸い奴は日立デバイセズのガラスモールドに似ている。
本当に色々な種類のダイオードを組み合わせている。
紫色と青色の物はどこのだろう?
回路図を書いてみるけど、電圧を意図的に下げる様なものは入っていない。
違いは純粋にコンデンサとダイオードの種類のみ。
コンデンサ自体の充電時間等は別に差が出るものでも無いので、ダイオードが原因という事になる。
実際、コンデンサに直接250V電源を繋いでみても、充電波形に違いは無かった。
違いがあったら電気回路の計算式そのものを全否定することになるので、ある訳ないんだけど。
非常に小電力なバイクのジェネレータから、高電圧を絞り出してコンデンサに充電するので、ダイオードの違いが一番大きいのかも知れない。
日立のガラスモールドダイオードの特性図とUF2010の特性図を比較してみる。
差は僅かながら、ややUF2010が特性が良好。
例えばコンデンサから流れる電流値が0.8A程度とした場合、UF2010はVf0.75V、V07は0.9Vの差。
W = V x I なので、0.15V x 0.8A = 0.12W位の損失がある。
純正CDIはダイオードが2基掛けなので、より差は広がって、0.24W位の差か。
そもそも2.0ufを充電するのにどのくらいの電荷が必要なのだろう。
U=1/2 x C x V x V[J]の式から計算すると
OSR-CDIは一回の充電で2.2uFのコンデンサを260Vまで充電するので74mJ
純正CDIは同じく2.0uFのコンデンサを150Vまで充電するので22mJ
およそ50mJ程一回の充電で差が付いている。
もともと僅か2uFのコンデンサを充電するだけの電力なので、50mJでも差は大きい。
大体3000rpm位では1msの間に一回の充電が完了するので、先ほどダイオードでの損失が0.24Wとすれば、
0.24W x 0.001 = 24mJ
スペックシートを見ながらザックリと計算しても大体桁が合っているので、やっぱりダイオードによる損失。
ダイオードの損失だけだと、無くなる電力がもう少し足りない。
なんだろうと書き出した回路図を眺めると、はたと気が付く。
赤線からコンデンサに充電しているんだけど、そこから51KΩの巨大な抵抗経由で電気抜いている部分がある。
これは、ICの電源に使われている。
・・・これだろうなぁ。
ってことで、OSR-CDIは純正CDIと比較して
・最新のダイオードを使って効率が良い
・IC電源用にバッテリー12Vを使っている(純正は充電電力から抜いている)
理由でコンデンサの充電電圧が高くなっている、という結論です。
つづく
コメント
コメント一覧 (2)
関係ないですが、純正CDIはバッテリーの状態が良いと点火も良かったです。
点火時期が設計通りに行くんでしょうね。
倍電圧はケンさんがこの夏を乗り越えてからが勝負かなーと思います。
今年の夏は猛暑らしいのでテストには最適です。
ただ、通勤車両には不要かな〜と思います。
OSR-CDIをそのまま使っても1.6倍の電圧ですし、その辺位は良いところかなと思いました。
1KTのCDIが1XGと同等と仮定すれば、バッテリーは全く関与していないんですよ・・・。
ちと考えてみますけど、繋がっているのはアースだけなんで、CDI以外の要因があったかも知れません。