DCPのドライバ回路を少し考えてみる。
ディスチャージ回路を組み込んだソレノイドドライバで課題となるのは沢山ある。

簡単なものから。
・ソレノイドに通電する電流値によって噴射量が変わること。
・ソレノイドの温度によってインダクタンスがかなり変わること。

つまりDCPって使っているとどんどん熱をもって、抵抗値が増えていき、噴射量が大幅に変わっていくこと。
また、ソレノイドに通電してからプランジャが移動するまでに無効時間というものがあって、この時間が変わってくること。
この辺を考慮していないと、正しい燃調は出ないと思う。
季節要因だけでなく、走ってたらすぐに燃調が薄くなって走らなくなるとか、エンジンをかけるのが凄く大変になるとか、そういう事態に陥ると思う。
例えば、ソレノイドをオンにしてXXmsec噴射するってことを電流値も見ずに決めていると、とてもまずいことになる。

したがってソレノイドに流れる電流値を測定しながら、ソレノイドをオンにする時間を決定してく必要がある。

だもんで電流検出用の抵抗R1を考えてみる。
dcps


・コンデンサC1の話
どの程度ソレノイドオフ時に電圧がかかるか分からないので、C1はまだ決められないけど、50V程度として、100uFの電解アルミコンデンサが今のところ候補。
電解アルミコンデンサといえばリップル電流による発熱が気になるけど、例えば12,000rpmなんてものは200Hzという「超低周波数」なので問題は無いと思う。

・抵抗R1の話
ミクニのDCPは抵抗値を測定したところ1.5Ωだったので、最小の抵抗値は(1.5Ω+R1)とみなす。
MAX50Vが発生するとして、10ミリオームの抵抗が丁度よさそげ。
・R1に発生する電圧は、
Vr1 = 50V x 0.01Ω x (1.5Ω+0.01Ω) = 0.22V

・50Vがかかった時に流れる最大の電流値は、
Iall = 50V / (1.5Ω+0.01Ω) = 33.1A

・R1の消費電力は
Pr1 = 0.22V x 33.1A = 7.26W

当然ながら、R1の消費電力7Wなんてものを吸収できる抵抗は相当高額になるし、そもそも秋月に売ってない。
だけれどもあくまでこれは定電流状態の話なのでまぁ大丈夫かなと。

秋月の部品として、「精密級チップ抵抗 10mΩ1W±1%」というものがある。
P-01886

1Wの定格なので、大体20Vまでは定常的に掛けられる。

さて、この電流検出用R1のにかかる電圧を測定すれば、ソレノイドに流れる電流値が測定できるんだけれども、このままだと、例え50Vになったとしても0.22Vしかない。
これをPICマイコンで読み取るととても精度が悪くなるのでオペアンプで増幅する必要が出てくる。

・オペアンプの設計
特に設計なんてものはなく、単純に増幅するだけ。
フルスイングのオペアンプNJM2732が良いみたいなのでこれを使って、10Kと1.2Kで増幅すると9.33倍の増幅回路になる。
Vsens = 0.22V x 9.33 = 2.05V
もうちょっと増幅しても良いかな?

I-04723


やってればまだいろいろと問題は出てくるだろうけど、あくまで机上なんで、こんな感じでひとまず。