CDIはマイクロ秒単位で動作させるので、変な事をせず、きっちり計算できる動作をする事が必要です。
SDR用の点火装置、RCDIはマイコンにマイクロチップ社のPIC16F1455を使っています。
このPICマイコンはその辺で簡単に手に入る割には丈夫で信頼性が高く、組込み用のデバイスを作るには好都合なスペックやドキュメント、開発環境が揃っているのが特徴です。

ちょっと耐久性について記載しておきます。

動作温度に関する話、EPとIPの違い

随分前に秋月電子にPIC16F1455の取り扱いをリクエストしたんだけど、複数のリクエストがあったのか無事取り扱いが始まりました。
秋月電子は気が利いていて、PIC16F1455に関しては2種類仕入れてくれています。
pic16F1455

PIC16F1455I/Pは140円、PIC16F1455E/Pは160円。
何の違いなんやろか、と思ったかも知れません。
これって耐久温度の違いがあるんです。
詳しくはデータシートのProduct identification systemに記載があります。
pic16F1455IP
これによれば、I/Pは-40℃〜+85℃、E/Pは-40℃〜+125℃の動作が可能とあります。

20円で最大温度が85℃から125℃まで上がるなら、E/Pの方がよさそうです。
実際自分はE/Pを買ってますが、、、まぁ85℃を超える様だとそもそも何かがおかしいので、I/Pでも構わないと思っています。
また、細かいところを見ると、125℃で全ての機能が正しく動作する訳でもありません。
あくまで保険的に、という意味でE/Pという選択はあるかもしれません。

フラッシュ書き込み回数の話

RCDIはUSB経由でPICのフラッシュの値を書き換えます。
これが故に、一度マイコンで書き込んだ値が、電源オンオフをしても再び再現される事になります。
太古の昔はEEPROMの様なメモリの小さい領域しか、書き換え可能な領域は無かったのですが、最近はProgram memory領域を自力で書き換えられる様になっています。
EEPROMはPIC16F1455では存在しませんので、このような実装はEEPROMは使えずにFlashを使う事になります。
ちなみにR-Air Solenoid Controler(RASC)はPIC12F1822を使っていて、EEPROMが256バイトあるので設定値はこちらを使っています。

EEPROMは流石に書き換え専用なので、10万回の書き換えが動作保証されています。
ではFlashはどうなのでしょうか。
datasheetのMemory Programming Requirementsにその記載があります。
pic16F1455flash
流石ミッドレンジコアで新し目のマイコンです。
10K回、つまり最低1万回の書き換えが保証されています。

これだけの数を書き換える事はまずないでしょうから、まぁ遠慮なくUSBで設定値を書き換えても大丈夫だと思います。
まぁ書き換えられなくても160円だし。